女のケモノ道

2005年5月2日 読書
ISBN:4163667806 単行本 岡崎 京子 文藝春秋 2005/04/23 ¥1,300

クレアで連載していたものだそうです。今から10年くらい前に。言われてみれば、かすかに覚えがある。彼女が事故にあったのが95年の5月。この連載は95年7月号分まで掲載されているから、連載中に事故にあわれたんですね。

内容は安野モヨコの「美人画報」みたいな感じでしょうか。
おしゃべりとイラストエッセイ半分みたいな。

あとがきによしもとばななさんが「彼女のシリアスな漫画ばかりが評価されてしまいがちだけど、私にとっては彼女の真骨頂はこの笑いと悲しみと切なさの混じりあった、人間のどうしようもなさの表現なのだ」と書いていらっしゃいます。

そして、そのなかでばななさんは、「お見舞いと呼ぶのはもうやめた。元気な彼女に会いに行くのだ」とつづっていらっしゃいます。彼女の事故後、回復状況を知らせる文章に出会うたび、私は彼女がこれから「描ける」状態にあるのにかどうか、それだけが気になっていました。そしてその度、ああ、まだなんだな・・・とがっかりすることをくり返してきていました。

でも、岡崎京子さんの友人達は、彼女の姿を見るたび、「この世にいてくれるだけで十分だ」とつづっていらっしゃいます。

最近、私もそう思えるようになってきました。

だって、「リバースエッジ」にしろ「ヘルター・スケルター」にしろ、この本にしろ、
「こういうことを描かせたら彼女の右に出る人は、今もいないと思う。」から。

今までの作品を読み返すだけでも新たな発見が常にあります。
だから、今は彼女のリハビリがのんびり進んでいくことをお祈りするのみです。

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